一般社団法人配管技術研究協会

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配管技術社のための和・洋参考書100冊
1.本特集の趣旨
 協会創立45周年を記念する協会誌2006年秋季号の第2特集として、「配管技術者のための和・洋参考書100冊」をお贈りする。
 1990年のバブル崩壊を起点とする長かった景気後退期を経ている間に、日本の状況にいろんな変化があった。就職難、リストラ蔓延、フリーター急増、デフレ、購買意欲低下、活字離れ、学力低下、技術力低下、計算/解析の自動化、そして2007年問題、インド・中国の台頭、一一一一一一一。
 世界における競争力を低下せしめた今日の日本の技術力を活性化させ、技術立国日本を維持してゆくためには、技術という大樹の根元を強く、太くしておくことが最も重要である。それには若い技術者一人一人が自分の仕事に興味を持ち、勉強し、自分のポテンシャルを高めてゆくことが必要である。そして、「基盤は広く、専門は深く」が、世界に通用し、世界に出てゆける、グローバルエンジニアへの道だ。
 この特集は、若い配管技術者が紐解き、読み、勉学し、参考にすれば、自己のポテンシャルアップと、実務の遂行に、効率的に役立つと思われる本、和・洋合わせて、100冊をピックアップした。今回、取り上げたジャンルの参考書は、過去20年ぐらいに発行されたものを数え上げることができるとすれば、恐らく日本で500冊、米国・英国を中心とする欧米で1000冊、計1500冊ぐらいはあろうか。そのうち、我々が今回中身をあたることができたものは、250~300冊ぐらいであろうか。眼の届いていない本の方がはるかに多い。従って、ここにリストアップされた本は、配管技術者にとって、大いに役に立つ本であるが、「ベスト100」というわけではない。タイトルを「和・洋参考書100選」ではなく、「和・洋参考書100冊」とした由縁である。
 配管設計/技術は、流体工学、熱力学、材料/構造力学、化学工学、金属冶金学、物理学等の知識とその応用のみならず、電気、計装、土木、建築、に対する知見も有している必要がある。即ち、配管は異なる専門領域の知識も必要とする、学際的(lnterdisciplinary)色彩が強い。そのような観点から、各種の工学専門書から一般教養書の類まで、幅広くこのリストに含めた。
 また一口に配管といっても、配管の分野には電力、化学、建築(空調衛生、給・排水、消火)、船舶、食品/薬品、パイプライン、などあり、それぞれ独自の規定(米国のASME PipingCodeは、電力用配管、燃料ガス用配管、プロセス用配管など、分野により8種類のCodeに分けられている)や“文化”をもっている。取り上げた本がこれらすべての分野に均等に比重を掛けられず、むら(斑)があることも否定できない。
 また、和・洋参考書とも、既に絶版となり、新刊書店では手に入らないが、古典(Classic)としての価値があり、考え方、方法、データなど、参考になる本は含めた。これらの本は図書館でアクセス可能である。
 技術書ではない一般書或いは科学図書の、読書案内や、○○100選といったガイドのようなものは世に出ているが、専門技術書に関する、その類のものについては、洋書はもちろんのこと、日本の本も、出版された書名をジャンル別に羅列した図書目録は別として、見たことがない。そこで曲がりなりにも、ここに和・用の専門技術書・参考書100冊をピックアップして、会員諸兄のご参考に供するものである。
2.欧米の参考書(第1表参照)
 ここに掲げる欧米参考書は、主として米国の参考書であるが、口本の技術者、特に配管技術者にとって実務に大いに役立つのではないかと思われる本を、雑誌「配管技術」に2003年から2006年にかけて不定期に連載し、好評を得たものに、更に大幅に追補したものである。すでに掲載したものも時を経て、その後、版の新まった本もあり、それら新しい情報も加え、かつジャンル別に分類して、紹介するものである。
 英語というと敬遠される方もおられるかと思うが、工学関係の参考書に使われている英語は構文が比較的単純、平明である。また、専門用語は英語をそのままカタカナ化した用語が多数あり、あまり辞書を引かなくてもすむ。“式”はもちろん万国共通だし、これらのものが道案内役をしてくれて、小説、随筆のように読むに従い、だんだん筋が分からなくなるというようなことは起きにくいし、途中の章、途中の節から読みはじめても、予備知識があるから、理解できる。英文の専門書を通じて、英語に慣れ親しんでゆくのも一方法であろう。
 適切な本を選べば、日本と多少文化の違う米国の専門分野を学びながら、英語の読解力も身に付くという一石二鳥を果たすことができる。
3.1米国の参考書の特徴
 米国の参考書もまた、技術者と学生(大学の教科書)双方を対象としている本が多いのは、日本と同じであるが、日本の参考書と比較して次のような特徴がある。
(1)長い年月、良くメンテナンスされ、使い込まれてきた本が多い。
米国の参考書で驚かされるのは、その息の長さである。初版から30年、40年経っている本も多く、しかもその間、豆に改訂が行われ、第8版、第9版、それ以上という本も少なくない。これらの本は淘汰の中で生き残り、版を重ねるごとに、最新の情報を取り入れ、読者の意見も採り入れ、より見やすく、より便利にと、改良を重ねているから使い勝手が良い。日本の本では、このように息の長い本は希であるし、息の長い本も改訂を行わず、増刷を繰り返すだけという本が多い。
(2)例題、演習問題が多く、即、実戦に役立つ。
米国の参考書は日本の参考書に較べ、明らかに例題、演習問題が多い(最近、日本の参考書も例題を多く載せる傾向にある)。式の説明等があっても、いざ自分で実地の問題を解こうとすると、とまどうところが出てくるものであるが、例題があれば、具体的な式の使い方がわかり、助かることが多い。参考書は実戦に役立たねば意味がないという考えがあるのであろう。
 米国の参考書(教科書に採用されているものが多いと思われる)に演習問題が多いのは、米国の大学では莫大な数の宿題が踝せられるという背景にあると思われる。練習問題を多くこなすことは、実践重視の現れであろうが、例題が多いということは、我々にとっても好ましいことである。
(3)米国の本は一般に厚い。
紙1枚の厚さが米国の方が約2割厚いこと(200頁の厚さが日本では10mmに対し、米国では12mm)もあるが、総じて頁数も多い。ハンドブックのように引いて使う本は、頁数が多い方が知識・情報の量が多いので、利用価値が上がる。一方、本全部でないにしても、ある程度、読み通して全体を吸収したいという向きには、程々の厚さ(300頁程度)の本の方が適当であろう。
 本のサイズは日本は210mmX148mm(A5サイズ)が多いが、米国は235mmX156mmが多く、米国の本は日本の本よりやや縦長である。
また、本の体裁としては、日本は簡素な装丁のハードカバーに色刷りのブックカバーを被せているが、米国では、ハードカバーそのものが、カラー印刷されている。
(4)日本の参考書には見られない、新しい知見が掲載されている。
 日本と米国の技術は似ていても文化の違いのようなものがある。工学の世界で米国が1歩先んじているところもある(もちろんその逆もあるが)。日本で現在通用或いは紹介されていない考え方、解法、手法が米国参考書に掲載されているものが結構ある。
 流体工学(水力学)の例を挙げるなら、損失水頭の計算における、「Crane社の新しいK値」(参考書3.2)、「2K法」(参考書3.3、3.5)、「Haalandの式」(参考書3.1)、「Chu.rch・・Usagiの式」(参考書3.5)などは日本の参考書に紹介されていない(多分)。
(5)最近は、ISO単位を併記している米国参考書も増えており、これも我々に好都合である。
3.2 欧米の参考書の情報をどうやって調べるか
(1)書店で
 米国参考書を手に入れる方法として、丸善丸の内本店、八重洲ブックセンター本店などの洋書売場には、充分でないにしても若干の機械工学関係の参考書を置いているので、そこで手にいれる方法がある。06年1月、丸善丸の内本店の四階洋書売場奥のMechanicaI Engineering とChemica1 Engineering の書棚には、流体工学、材料力学、腐蝕、バルブ、ポンプ、配管・圧力容器、等の分野で食指の動く書籍が少なくも10冊はあった(丸善は、我々が欲しい本を、選ぶ目を持っていると感じた)。しかし、日本に限らず、米国、例えばニューヨークのMcGraw H・の直売店でさえも、我々の関心ある工学書で置いてあるのは、Computer関係の本以外、出版されている本の内、少数の限られたものだけである。
(2)インターネットで
 それに引き替え、INTERNET を使えば、現在米国で出版されている殆どすべての本を“見る”ことができる。例えば、www.rbookshop.com のサイトを開くと、左側にBook Category という欄があり、その中のEngineering Books をクリックすると、Engineeringの専門分野がアルファベット順に羅列されているので、興味のある分野をクリックすれば、各分野ごとに300件とか600件とかの本を順繰りに、本のタイトル、著者、値段、表紙などを見ることができる。更に詳しく知りたい場合は、その表紙絵をクリックすると、その本のセールスポイントや読者の書評が出てくる。更に、売れ筋の本の場合は表紙絵に“Search Inside” というマークがついていて(右写真参照)、その表紙絵をクリックすると、目次、本文の最初の数頁、索引、それに裏表紙の本の宣伝文を読むことができる。このマークがついた本は、かなり的確に本の内容が掴めるので、的はずれの物を賈ってしまうことは少なくなる。逆に、具体的中身を全く見ることのできない本は、本が届いたら、思っていたものと少し違うということもありうる。
PIPING DESIGN HANDBOOK
3.3 インターネットによる購入方法
(1)購入の方法
 小生は今まで殆どの本を、本のインターネット・ショップでは最も大手と思われる米国のAmazon.comを通して買っている。しかし、Amazon.comで検索して出て来なくて、他のサイトで出てくる本もあり、また、Amazon.comの値段が最も安いというわけでもない(米国の本には定価がついてないのが一般的で、値段は店やサイトによって差がある。米国在住者が対象の、より安い価格もある。)。Amazon.comを通じ、30回以上購入したが、今までのところトラブルはない。
 Amazon.comの場合、一度、名前、住所、電話、それにクレジットカード番号などを登録し、購入すると、次回からは、“Buy now with 1 click”というアイコンを使って1クリックで欲しい本を注文できるのは便利だ。また、複数の本を同時(90分以内)に注文すると、送料が割引になるサービスもある。(送料は本により異なるが、1冊あたり10~20US$くらいで、同時注文の場合、2冊目以降、ほぼ半額の送料になうているようである、)
 注意事項として、最新の版ではなく、旧い版が検索で出てくることがあるので、発行年に注意し。幾つかのサイトも参照して、それが最新の版であるかどうかを確認した方が良い。また、他の本との抱き合わせセールスもやっているので、注文のクリックをするときは注意が必要。注文のキャンセルはすぐなら可能だ。
(2)価格
 本の値段は最も関心のあるもののひとっだが、リスト価格という定価のごとき値段が設定されているが、必ずしもこの値段が、販売価格になっておらず、インターネット・ショップにより差がある。発行後10年以上経った本は、リスト価格より10%程度安くなるケースもある。従って、日本の本屋で買う場合、外国のインターネット・ショップで買う場合、日本のインターネット・ショップ(例えば、日本のAmazon.co.jpも広く米国の参考書を扱っている)で買う場合、などいろんなケースにつき、本体の値段、送料、税金、込みでどこが一番安いかあたってみるのが良い。「いつでもここが最も安い」という定石はないようである。
 本稿に記載の値段は、やや旧いものもあり、また、インターネットショップにより異なるので、参考値としてください。
(3)入手所用日数
 インターネットで購入の場合、標準の“Standard International Shipping” で、早いものは注文から1週間ぐらいで着くが、通常は3週間程度掛かる。希ではあるが、在庫がない場合は2ヶ月ぐらい掛かることもある(Amazon.comでは、このような場合、そのような条件でも注文を続けるか否か問い合わせてくる)。
3.日本の参考書(第2表参照)
(1)日本の参考書の特徴
 ここに掲げる日本の参考書は、編集委員会メンバーが過去親しんだ参考書の外に、今回、新刊書の大型書店、古本屋、図書館、などを調べ、斜め読みして、これはと思う本を選んだ。何分、視野・行動半径の狹さ、理解不足の点から、多くの良書を見逃したことと思う。しかし、一方、良書の一角をここに捉えられたのではないかとも思う。
 この特集を編んでいて、感じたことは、現在の日本の工学専門書出版にぱ気骨”が欠けているのではないか、ということである。私が見た良書は20年以上前に出版されたものが多い。そしてそれらの多くは絶版になって、今では手に入らないものが多い。日本の参考書に、時を多く経ずして絶版になるものが多いのは、適時に改訂されず、初版のまま、その本の生涯を終えるというところにある。つまり出版社或いは著者により、本のメンテナンスがなおざりにされている、1回出したらそれっきりというのが多いのである。
 米国の参考書には、30年、40年という長い年月にわたり、適宜、改訂で版を改め、その度に、最新の情報を取り入れ、より見やすく、より便利にと、改良を重ねているから、常に時代にマッチし、かつ、使い勝手が良い。
 日本の本は何故改訂されないのか?1冊の本をブラッシュアップしつつ、地道に育ててゆくよりも、手軽に新刊を出した方が、商売になるというためではなかろうか?だから、本の種類は多いけれども、どれも似たり寄ったりで、重厚感のある本が少ない。  本特集は、今では手に入らなくなった良書の名を、少なくとも、ここに留めおこうという目的もある。そして、それらの本を図書館等において見ることができることを以て、良しとするべきかもしれない。
(2)参考書と便覧(ハンドブック)
 “なになに学”という参考書は、概ね大学の先生が学生を対象に書いたものである。従って、理屈を知るには、好都合だが、実務上の課題を処理するために使う場合には、掲載されているデータの種類が不十分で、役不足であることも多い。その点、便覧は、通常、学生よりも、実社会で役立つように編纂されており、一般にデータも多く、オールラウンドで、実務に即、役にたつことが多い。米国は日本よりハンドブックが多い。
4.工学専門書を入手またはアクセスできる場所
 国内の工学専門書が豊富に置いてある図書館は、東京近郊では国立国会図書館と神奈川県立川崎図書館である。国会図書館は、一部を除き殆どの本が閉架式であるが、川崎図書館は、開架式と閉架式を混用している(よく利用される本が開架式)。  欧米の工学専門書(原書)は国会図書館に若干あるが、川崎図書館は皆無といってよい。  新刊書店で日本の工学専門書が多いのは、東京近郊では、ジュンク堂池袋本店、八重洲ブックセンター、丸善本店、次いで、ブックファースト渋谷店、三省堂神保町店、書泉グランデ(神保町)、紀伊国屋新宿店、などであろう。
 欧米の新刊専門書を置いているのは、丸善丸の内本店が多く。次いで八重洲ブックセンターである。
 古書店では、和書(多数置いている)、欧米書とも、明倫館にある。
(1)図書館(東京近郊)
 ・国立国会図書館(東京メトロ永田町駅より徒歩8分)
 ・県立川崎図書館(JR川崎駅より徒歩12分)
(2)主な新刊書店(東京近郊)
 ・丸善本店  東京駅丸の内北口 (JR東京駅より徒歩2分)
 ・八重洲ブックセンター 東京駅八重洲口 やや有楽町寄り(JR東京駅より徒歩3分)
 ・ジュンク堂池袋本店  池袋駅東口 やや新宿寄り(JR池袋駅より徒歩5分)
 ・ブックファースト渋谷店 文化村通り東急百貨店本店前(JR渋谷駅より徒歩10分)
(3)古書店(東京近郊)
 ・明倫館 (JRお豕の水駅より徒歩10分、地下鉄 神保町駅7番出口より徒歩2分)
第2表 日本の参考書(59冊)
右端のマークは図書館における収蔵状況を示す
N:国会図書館収蔵/P:川崎図書館収蔵
1 配管全般  
1.1 配管 化学工学協会編 丸善 1970年刊 N/P
1.2 配管便覧 成瀬 廸、幡野佐一 編著 化学工学社 1971年刊 N/P
1.3 配管ハンドブック 第4版 配管工学研究会 1980年刊 N/P
1.4 配管設計講座 成瀬 廸著 日本工業出版 1966年刊 N/P
1.5 建築設備設計マニュアル(第3版)I空気調和編 建築設備技術者協会編 技術書院
建築設備設計マニュアル(第3版)Ⅱ給排水・衛生編 建築設備技術者協会編2002年
N/P
1.6 応用機械設計 配管工学 小河内美男著 工学図書 1964年刊 N/P
1.7 配管工学ハンドブック I、Ⅱ ジークフリート S シュワイゲル 森北出版 1976年刊 N/P
2 配管材料・コンポーネント  
2.1 安全弁の技術 笹原敬史著 理工学社 2001年刊 N/P
2.2 カラー図解鉄と鉄鋼がわかる本 新日本製鉄(株)編著 日本実業出版 2004年刊 N/P
2.3 初歩と実用のバルブ講座 パルプ講座編集委員会 日本工業出版 2003年刊 N/P
2.4 入門・金属材料の組織と特性 日本熱処理技術協会 大河出版 2004年刊 P
2.5 若い技術者のための機械・金属材料 矢島悦次郎丸善 2002年刊 N/P
2.6 工業プロセス用調節弁の実技ハンドブック弟6版 日本工業出版 2005年刊 N/P
3 流体工学  
3.1 水力学板谷松樹 朝倉書店 1999年刊 N/P
3.2 基礎水理学林泰造 鹿島出版会 1996年刊 N/P
3.3 気液二相流の動的配管計画 藤井照重 他 著 日刊工業新聞社 1999年刊 N/P
3.4 改訂水力学 池森亀鶴著 コロナ社 1973年刊 N
3.5 演習水力学 国清、木本、長尾共著 森北出版 1995年刊 N
3.6 機械工学便覧 基礎偏α4 流体工学 日本機械学会 2006年刊  
3.7 技術資料 管路・ダクトの流体抵抗 日本機械学会 1979年刊 N
3.8 改訂気液2相流技術ハンドブック 日本機械学会 2006年刊 P
3.9 パイプラインシステムハンドブック 猿渡良一 著山海堂 1998年刊 N/P
4 材料力学  
4.1 新しい機械工学5 固体の力学 永井文雄著 森北出版 1980年刊 N/P
4.2 原子力プラントの構造設計 安藤、岡林共著 東京大学出版会 1977年刊 N/P
4.3 鋼構造物の設計入門 土木設計研究会 オーム社 2005年刊 N/P
4.4 機械工学基礎コース 材料力学 小久保邦雄著 丸善 2002年刊 N/P
4.5 疲労設計便覧 日本材料学会編 養賢堂 1995年刊 N/P
4.6 材料力学 ティモシェンコ著 上/中巻 瀬戸口、他訳 東京図書 1957/1972
材料力学要論 ティモシェンコ、ヤング著 前澤訳 コロナ社 1964年刊
N/P
5 設計・製図  
5.1 見方・かき方 建築配管図面 矢野弘、中村勉共著 オーム社 2004年 N/P
6 機械工学  
6.1 なっとくする演習・熱力学 小暮陽三著 講談社 1997年 N/P
6.2 工業熱力学基礎編(SI単位による全訂版/第30版) 谷下市松著 裳華房 1984年刊
大学演習 工業熱力学(3訂版)第32版 谷下市松著 裳華房 1980年刊
N
6.3 図解 熱力学の学び方(第2版) 谷下市松監修、北山直方著 オーム社 1984年
図解演習熱力学 谷下市松監修、北山直方著 オーム社 1979年刊
N
6.4 図解伝熱工学の学び方 西川兼康著 オーム社 1982年刊 N
6.5 振動工学振動の基礎から実用解析入門まで 藤田勝久著 森北出版 2005年刊 N/P
6.6 事例に学ぶ流体関連振動 日本機械学会編 技報堂出版 2003年刊 N/P
7 化学工学  
7.1 現代化学工学 橋本、萩野共著 386頁 産業図書 2001年刊 N
7.2 解説化学工学 竹内、川井、越智、佐藤共著 培風館 1982年刊 N/P
7.3 基礎化学工学 化学工学会編 308頁 培風館 1999年刊 N
7.4 技術者のための化学工学の基礎と実践 化学工学会編 アグネ承風社 1998年刊 N/P
7.5 プラント操作の基礎知識改訂版 今西忠著 化学工業日報社 2005年刊 N/P
7.6 化学工学の基礎 拓植、上ノ山、佐藤(正)、他共著 朝倉書店 2000年刊 N
8 配管周辺技術  
8.1 海水機器の腐蝕一損傷とその対策一 尾崎敏範、他著 技術評論社 2002年刊 P
8.2 破断面の見方 破面観察と破損解析 吉田亨著 日刊工業新聞社 2005年刊 N/P
8.3 水力機械 草間秀俊著 コロナ社 1980年刊 N/P
8.4 溶接強度ハンドブック 佐藤邦彦編 理工学社 1988年刊 N
8.5 新版金属の腐食損傷と防食技術 小若正倫著 アグネ承風館 1995年刊 N/P
9 一般・歴史・読み物  
9.1 古代のローマ水道 今井宏著 原書房 1987年刊  
9.2 ローマ人の物語X すべての道はローマに通ず 塩野七生 新潮社 2001年刊  
9.3 パイプづくりの歴史 今井宏著 アグネ技術センター 1998年刊  
9.4 トヨタ式未然防止手法 吉村達彦著 日科技連 2002年刊  
9.5 失敗の本質 日本軍の組織論的研究 戸部、寺本、鎌田、杉之尾、他共著 1991年  
9.6 続々・実際の設計 失敗に学ぶ 畑村洋太郎編著 日刊工業新聞社 1996年刊  
9.7 橋はなぜ落ちたのか 設計の失敗学 ヘンリーペトロスキー 朝日新聞社 2001年刊  
9.8 テクノライフ選書 トラブルシューティング 河島信咐著 オーム社 1996年刊  
9.9 エンジニアリング産業論 玉置明善著 東洋経済新聞社 1977年刊  
1. 1 書名:プロセス機器構造設計シリーズ3 配管 化学工学協会編 195頁 丸善(株) 1970年刊 ¥2000
1. 1 書名:プロセス機器構造設計シリーズ3 配管 化学工学協会編 195頁 丸善(株) 1970年刊 ¥2000
そう厚くない本であるが、配管般計全般について、よく書き込まれた本である。内容は、配管の選定基準、配管のアレンジメント、配管支持の要領、配管の熱応力(まだ図式解法の時代であった)、配管の振動、配管図、配管工事、配管保全、配管工事積算法、の章に分かれている。各章をその道の専門家が担当し、力が入っていて、かつ分かりやすい。日本の参考書で、プラント配管のアレンジメントにつき多くの頁(40頁)を記述(成瀬氏担当)した本は、この本と「配管設計講座」ぐらいであろうか(内容は「配管設計講座」に似ている)。配管工事など、現場に眼を注いでいるが、反面、圧力損失、管強度計算などについては触れていない。
尚、本構造設計シリーズの「熱交換器」、「塔槽類」、も良い本である。
1. 2 書名:配管便覧 成瀬 廸、 幡野佐一 監修 1335頁 化学工業社 1971年刊 ¥19500
1. 2 書名:配管便覧 成瀬 廸、 幡野佐一 監修 1335頁 化学工業社 1971年刊 ¥19500
新刊を本屋で兄かけないので、恐らく絶版である。本書は、プラント配管、一石油化学プラントにやや重点一 を主対象にした配管ハンドブックで、構成は米国、McGraw-Hill社の Piping Handbookに近い。I.基礎編は、圧力損失、熱膨張応力、振動というソフト的な部分と、管、管継手、弁・サポート、といったハード的な部分。そして、CAD、溶接を含む製造、保温、防食の部分から成っている。Ⅱ.応用編は、火力発電、上水道、石油精製、など12の産業分野につき、それぞれの配管の特徴をその専門家が記述している。強度計算は、産業分野で若干式が異なるせいか、Ⅱ.編へ持ってきている。米国の、Piping Handbookが初版以来、年間に版を改めること7回に及ぶのに、日本の同じような本は初版で終わり。米国産業力の慣性力の大きさと専門技術図書出版界の両国文化の相違を感じさせる。
1. 3 書名:配管ハンドブック 第4版 配管工学研究会 1487頁 1980年刊 産業図書 本体 \20000
1. 3 書名:配管ハンドブック 第4版 配管工学研究会 1487頁 1980年刊 産業図書 本体 \20000
本書は建築設備配管を対象とし、1961年に初版、その後、数回の改訂を経て、1980年に第4版が出版された。現在書店に並んでいるのは、1995年に印刷された第4版第4刷であり、日本の景気後退の影響もあってか、27年経つが、第5版は発行されていない。第I章では、各種材料、管継手を広範に取り上げ、それらのJISや業界規格を載せているので、配管コンポーネントの規格を一望できて便利であるが、27年前の最新規格であるから、変更になった規格もあるのではないかと思われる。第Ⅱ章では、給水、消火設備、給湯、排水など、建築の用途別設備を主体に設計のポイントを説明している。管圧力損失、管強度、熱膨張応力、などは、単独の章がなく、第II章の用途別説明の中に委ねている。米国には、プラント系配管のPiping Handbookと、建築設備系配管のFacility Piping Systems Handbookがあるが、日本でも、プラント系配管が「配管便覧」、建築設備系配管が本書「配管ハンドプック」といえようか。
1. 4 書名:配管設計講座 第2版 成瀬迪 著 292頁 日本工業出版 1966年刊
1. 4 書名:配管設計講座 第2版 成瀬迪 著 292頁 日本工業出版 1966年刊
本書は雑誌「配管技術」に3年有余に亘って連載されたものを纏めたものである。発刊当時、否、現在においても、機器・配管の配置計画を含め、石油化学プラントの配管設計に必要な知識を一通り網羅し、本格的に書き込んだ本は希有で、希少価値がある。「米国から学ぺ」の時代に発行された本だから、米国技術の受け売り的な要索は強い。第1章は配管設計の予備知識として、管、管継手、弁、機器、計装・電気を、第2章は配管の品本設計で、各種ダイアグラム、ラインインデックス、配管仕様、圧損、配管の配置計画につき述べ、第3章は詳細設計で、配管図と配管サポート、第4章、研究事項で熱応力、振動を扱っている。管や分岐管の耐圧強度については触れていない。本書は絶版。
1. 5 書名:建築設備設計マニュアル(第3版) I  空気調和編 364頁 ¥7000
           建築殷備設計マニュアル(第3版)II 給排水・衛生編 283頁 ¥7000
建築設備技術者協会 編著 2002年 技術書院    
1. 5 書名:建築設備設計マニュアル(第3版) I 空気調和編 364頁 ¥7000 建築殷備設計マニュアル(第3版)II 給排水・衛生編 283頁 ¥7000 建築設備技術者協会 編著 2002年 技術書院
建築設備設計の第1線で活躍中のベテラン設計者により作成された、実際の経験に基づいた実践的マニュアルといえよう。第2版序文に、「豊富な例題により、設備設計手法の極意が平明に述べられ、いわば周到に準備された旅行案内に喩えられよう。この旅行案内に従えば、設計者は安全確実に、最短コースで目的地に到達できるはず」とある。各章の始めに、基礎知識と設計手順を挙げ、例題を入れ、順を追っていくことにより、設計、計算ができるようになっている。図や表も見やすい。例えば第2編第4章の「空気線図の使い方」を見ると、空気の加熱、冷却、加湿、減湿、混合などの操作が空気線図にどのように表され、どのように計算されるか、逐一、例題つきで説明されている。初級、中級の建築設備技術者には座右の書となる本であろう。
1. 6 書名:応用機械設計 配管工学 小河内美男 著 206頁 工学図書 1964年刊 本体価格 2500円
1. 6 書名:応用機械設計 配管工学 小河内美男 著 206頁 工学図書 1964年刊 本体価格 2500円
本書は今から40年以上前に発刊された本であるが、今でも新刊書店の店頭で見かけることがある。内容は配管全般にわたり記述しているが、配管の熱膨張応力 (チャートや数表により読む方法)のところに多くの頁を割いている。内容は、1章 管の標準寸法及び管断面の諸性質、2章 流量、流速、及ぴ圧力捐失、3章 管の肉厚と管材の許容応力、4章 管系然膨張と熱膨張による応力、5章 伸縮継手、6章 曲がり管における熱膨張による曲げモーメントと応力の計算、7章 数表または図表による配管熱膨張応力の求め方、8章 管継手、9章 管と吊り荷重、10章 管の保温。
配管の熱膨張応力の計算はコンピュータにまかせる時代だが、チャートなどにより簡易に概略の応力を求める方法も残しておいて良いと思われる。
2. 1 書名:安全弁の技術 笹原敬史 著 170頁 理工学社 2001年刊 本体 ¥2800
2. 1 書名:安全弁の技術 笹原敬史 著 170頁 理工学社 2001年刊 本体 ¥2800
著者は岡野バルプで技師長を努めた人である。安全弁のみに撤し切った専門書で、日本で安全弁に最も詳しい本である(米国にはPressure Relief Deviceという本がある)。内容は、安全弁の種類、構造、設計、性能、作動、材料、吹出し量、設置上の注意、作動試験、保守点検、と安全弁に関するあらゆる分野にわたる。安全弁の仕様や配置を決める、プラントや配管の設計者のみならず、プラントのメンテナンスをする人、安全弁そのものを設計・製造する人の参考にもなる。安全弁は安全に直結する重要な弁であり、安全弁の作動性能や吹き出し量計算、安全弁設置上の注意事項などを理解しておく必要があるが、本書1冊でかなりのところまで収得できるので、プラント・配管設計者にとってありがたい。
2. 2 書名:カラー図解 鉄と鉄鋼がわかる本 新日本製鉄(株) 編著 169頁 日本実業出版社 2004年刊 本体価格 1800円
2. 2 書名:カラー図解 鉄と鉄鋼がわかる本 新日本製鉄(株) 編著 169頁 日本実業出版社 2004年刊 本体価格 1800円
鉄と鉄鋼の製法をフルカラーの図で一般向けに分かりやすく解説した本ではあるが、新日鉄のベテラン技術者6人が監修しているだけあって、かなり専門的に書かれているところもあり、最新の製鉄技術の紹介もあるので、鉄鋼製品を常日頃取り扱っている機械工学の技術者であれば、鉄や鋼板がどの様にして作られるか、一度目を通しておくと、何かの時に役に立つだろう。
「形を造り込む」の章は、薄板の圧延工程しか取り上げられていないが、欲を言えば、パイプや形鋼などの製造過程も取り入れて欲しかった。
2. 3 書名:初歩と実用のバルブ講座 第6版 バルブ講座編纂委員会 436頁 日本工業出版 2005年刊 本体価格 4000円
2. 3 書名:初歩と実用のバルブ講座 第6版 バルブ講座編纂委員会 436頁 日本工業出版 2005年刊 本体価格 4000円
手動弁、自動弁、安全弁と、殆どの種類のバルブの構造、また、用途(産業)別にバルブの特徴、などバルブの基本的なことがらにつき広く述ペていて、バルブハンドプックと称しても良いような本である。近年の日本のバルブ参考書しては最もボリュームがある。バルブを一通り系統たてて勉強したい人には役立つであろう。
ただ、欲を言えば、図表類に印刷のやや薄いもの、図が小さすぎて読みにくいものがあり、また、この本の厚さにして、索引がないのは不便。
内容は、1章 バルブの基礎知識、2章 基本的バルブ、3章 遠隔操作弁、4章 自動制御弁、5章 安全弁、6章 給水栓、7章 特殊バルブ、8章 用途別バルブの使用、9章 バルブの材料、10章 バルブの設計、11章 バルブの規格、となっている。
左の写真は第5版。
2. 4 書名:入門・金属材料の組織と性質 (社)日本熱処理技術協会 309頁 大河出版 2004年刊 本体価格 3800円
2. 4 書名:入門・金属材料の組織と性質 (社)日本熱処理技術協会 309頁 大河出版 2004年刊 本体価格 3800円
タイトルに入門とうたっているが、内容はやや専門的で、ボリュームがある。
第1章は、「熱処理の基礎知識」として、鉄―炭素系の平衡状態図、各種変態、焼き鈍し、焼きならし、焼き入れ、焼き戻しについて説明する。第2章以下で、組織と静的強さ、靱性、疲れ強さ、摩擦・摩耗特性、耐熱・対酸化性、耐食性、ヒートチェック、被加工性につき説明する。1 0人の導門家が分担して執筆していて、テーマにつき、全般わたっており、落ちこぽれのない感じである。
本の構成がすっきりしていて、理解しやすく、文章も分かりやすい。チャート、写真類が豊富である。完読すれば、この分野で、初級卒業といってよいであろう。
2. 5 書名:若い技術者のための機械・金属材料 第2版 矢島悦次郎 他 著 376頁 丸善出版 2002年刊 本体価格 3045円
2. 5 書名:若い技術者のための機械・金属材料 第2版 矢島悦次郎 他 著 376頁 丸善出版 2002年刊 本体価格 3045円
本書のタイトル中の"機械" が"金屈材料"と、どういう関係にあるのか曖味であるが、多分、"機械用材料としての金屈材料"という意味であろう。本書は6人の共著で、金属材料に関するその守備範囲は極めて広く、鉄、非鉄材料の組織、熱処理に関することは、これ1 冊でたいていのことは間に合いそうである。第1編では金属の構造、変態、平衡状態図、塑性変更と格子欠陥、強化機構、試験方法と、金屈材料の基礎を、第2編は鉄鋼材料で、炭素鋼の基礎、鋼塊・鋼材、朔性加工、熱処理、表面処理、続いて、特殊鋼、程合金鋼、高合金鋼、時勢材料、鋳鉄につき、解説する。第3 編は非鉄金属で、Al、Mg、Ti、Cu、Sn、Niの各合金を解説している。必要に応じた拾い読みもしやすい。
2. 6 書名:工業プロセス用調節弁の実技ハンドブック(株)山武 調節弁ハンドブック編纂委員会
394頁 日本工業出版 2003年刊 本体価格 3000円         
2. 6 書名:工業プロセス用調節弁の実技ハンドブック(株)山武 調節弁ハンドブック編纂委員会 394頁 日本工業出版 2003年刊 本体価格 3000円
調節弁は配管設計と密接な関係があり、配管設計者としても、調節弁の基礎知識は身につけておきたいところである。ハンドブックと名付けられた本書は、調整弁全般について解説している。即ち、調節弁の種類と特徴、流量(静)特性(配管圧損による影響)、動特性、バルブサイジングと騒音計算の方法、操作機の種類別特徴と機能、グランド部の構造、バルブポジショナの役割・原理・構造、各種附属機器、代表的トラブル例、用途別調整弁の特徴、設置事例とそのポイント、そして、巻末によく使う寸法、物性値などを資料として収めている。
調整弁につきー通りの知識を得られる本として、格好の書である。
3. 1 書名:水力学 板谷松樹 著 324頁 朝倉書店 1999年刊 本体 ¥6000
3. 1 書名:水力学 板谷松樹 著 324頁 朝倉書店 1999年刊 本体 ¥6000
本書は、1957年、機械学会創立60周年記念事業として出版された機械工学講座の中の1 冊として刊行されたのが最初である。1966年に版権が朝倉書店に移り、尚増刷されている息の長い本である。50年前の本が改訂されずに、50年の寿命を保っているのは日本の専門書では珍しく、まだ読者がいるということは、本書がそれだけ内容が普遍的で、優れているということであろう。外観、内容ともがっちりした印象で、内容は「水力学」参考書の標準的な構成をとっているが、本書が、この標準的構成を確立したと言った方が良いのかもしれない。水力学の古典的名著と言えるであろう。演習の例題もあるが、基本的に改訂されてないので、単位は工学単位のままである。(表紙裏にISO単位との換算をつけている。)
3. 2 書名:基礎水理学 林泰造 著 310頁 鹿島出版会 1996年刊 本体 ¥3600
3. 2 書名:基礎水理学 林泰造 著 310頁 鹿島出版会 1996年刊 本体 ¥3600
著者は本書の序で、「水の諸現象を理解するために必要な直観的な洞察力、理解を大切にする」と記しているが、確かに水理・水力学は、直観的判断がかなり有効となる分野であるように思われる。
内容の構成はオーソドックスであるが、難しい数式を多用せず、努めて平易に水理学を解説しようとする著者の姿勢がうかがわれ、痒いところに手が届くような感じのする好著である。
因みに、標準的な水理学と水力学の参考書の類似・相違点を比較すると、前の方 2/3 は両者共通だが、後ろの方 1/3 は、水理学は開水路、河川、地下水の流れを論じるのに対し、水力学は庄縮性流体や翼の理論などを論じる。水理学は土木工学、水力学は機械・化学工学向きである。
3. 3 書名:気液二相流の動的配管計画 藤井、赤川、伊藤 共著 243頁 日刊工業新聞社 1999年刊 本体 ¥3800
3. 3 書名:気液二相流の動的配管計画 藤井、赤川、伊藤 共著 243頁 日刊工業新聞社 1999年刊 本体 ¥3800
気液二相流は、単相流に比し、流れが不安定に なりやすく、かつ、ハンマー現象が起きる可能性も高い。 その一方、流れを特定するパラメ ータが単相流に比し各段に多く、 その評価法が複雑で、単相流の技術では評価できない。本書は気液二相流配管設備における動的な問題を扱 った専門書で、流動様式の分類法から始まり、二相流の圧力損失、沸騰が起きる流路、及び、凝縮がおきる流路、における不安定な流れの評価(判定)方法とその対策、二相流の各種態様における水撃現象の特徴と圧力上昇値の評価方法そして対策、 などについて例題も交え、説明している。二相流体を扱う設計者にとっては良き指針となろう。書名に配管計画とあるが、二相流配管の具体的な配管レイアウトの指南書ではない。
3. 4 書名:改訂水力学 池森、黒瀬、越智 共著 285頁 コロナ社 1987年刊 本体 ¥3300
3. 4 書名:改訂水力学 池森、黒瀬、越智 共著 285頁 コロナ社 1987年刊 本体 ¥3300
初版が1957年で、その後、小改訂を重ね、31版(信じられない改訂数)とした後、1987年にやや本格的改訂がなされ、タイトルに"改訂"を入れた(左の見開き写其は改訂前のもの)。日本では珍しくメンテナンスの良い本である。この改訂では、単独執筆者であった池森氏の他に2人が加わり、単位をISO単位とし、また、潤滑理論等を削除しスリム化をはかった。それでもなお、他の水力学参考書では、分かりにくい説明のところ、あるいは説明のない部分も、本書では説明が親切丁寧で、類書より分かりやすいように思われる。 内容:1章:流体の物理的性質、2章:流体の静力学、3章:流れの基礎式、4章:層流、5章:管内の乱流、6章:流体計測、7章:抗力 、8章: 圧縮性流体の流れ。例題もある。
3. 5 書名:演習 水力学 生井武文 校閲 国清、木本、長尾 共著 森北出版社 1995年刊 本体 ¥3150
3. 5 書名:演習 水力学 生井武文 校閲 国清、木本、長尾 共著 森北出版社 1995年刊 本体 ¥3150
各章の始めに、簡潔に理論の要約を載せ、そのあとに総計で例題約170題、演習約180題を配し、詳しい解答をつけた大学・高専の学生のためのテキスト・演習書。若い技術者にも役立つ。理屈では分かったつもりでも、問題に直面すると、手が出ないということはよく起こるものだ。これを防ぐ効果的な方法は、 数多くの問題を解き、 演習を重ねることで、 工学上の問題に対応できる力が付いてくる。工学において演習の実施が非常に重要であり、本書はその意に沿ったものである。 内容は、・流体の物理的性質・流体静力学・流体運動の基礎理論・運動量の法則・粘性とエネルギー損失・管路抵抗・物体のまわりの流れ・開きょの流れ ・流速および流量の測定・次元解析と相似法 則・演習問題解答、からなっている。
3. 6 書名:機械工学便覧 基礎編 α4 流体工学 239頁 日本機械学会 2006年刊 本体 ¥4830
3. 6 書名:機械工学便覧 基礎編 α4 流体工学 239頁 日本機械学会 2006年刊 本体 ¥4830
2006年、久々に改訂発刊された機械工学便覧 基礎編の流体工学である。頁数は並みだが、大型サイズの1頁に縦割り2段で、小さめの字でぴっしり、図表と共に詰め込まれている。執筆陣も総勢60 人。今日の水力、流体力学のあらゆる分野を収容しているといって過言ではない。ただ、便覧であるから、学生用参考書と異なり、初歩的な説明は簡略化、或いは省略されていると思われる。1章 流体工学の概要と流体の諸性質、2章 流体静力学、3章 流体力学の基礎式、4章 理想流体の流れ、5章 粘性流体の流れ、6章 乱流理輪と乱流拡散、7章 圧縮性流体の流れ、8章 管路内の流れおよび流体中の物体に働く力、9章 流体機械の流れ、10章 非定常流れ、11章 空力音響および水中音響、12章 キャビテーション、13章 自由表面のある流れ、14章 混相流、15章 非ニュートン流体、16章 希薄気体力学、17章 特殊な環境下の流れ、18章 流体実験および計測、19章 流れの数値解析。
3. 7 書名:技術資料 管路・ダクトの流体抵抗 管路・ダクトの流体抵抗出版分科会
269頁 日本機械学会発行 1979年刊 本体 ¥14000 
技術資料 管路・ダクトの流体抵抗 管路・ダクトの流体抵抗出版分科会 269頁 日本機械学会発行 1979 年刊 本体 ¥14000
タイトルのとおり、管路、ダクトの圧力損失を求めるための計箕方法とそれに必要なデータを集積した本。この種の本では日本で最も詳しい。流体工学の概要と流体の諸性質を述べた通常の参考書に、抵抗損失に関する様々なデークを集めて加えた本と思えば良い(タイトルに技術資料とある由縁)。各種管路要素の抵抗
(各種ベンド、マイタ、2重管、ガイドベーン付き曲がり管、各種ディフーザ)などの豊富なチャートがある。また、整流装置の抵抗、管軸を中心軸にして回転する管の摩擦係数、などの記述もある。最後に、管路・ダクトの計画・設計例として、都市ガス管、煙突ダクト、空調用ダクト、プラント配管、建築の給水・衛生設備配管、スラリー輸送、管路網パイプライン、消火線配管の設計例がでている。
3. 8 書名:気液二相流技術ハンドブック 改訂版 580頁 日本機械学会発行 2006年刊 コロナ社 ¥10500
3. 8 書名:気液二相流技術ハンドブック 改訂版 580頁 日本機械学会発行 2006年刊 コロナ社 ¥10500
専門書書店で最近、気液二相流の本を複数見るようになった。これは産業界に気液二相流を扱う機会が増えてきたことと、この研究、技術、経験が近年急速に充実してきたところによろう。本書は1989年の初版本を全面的に改訂したもので、これまでの成果を一冊に凝縮し、現時点での二相流の決定版とも言えそうで、主として、装置の計画・設計をする技術者と研究者に役立つであろう。複雑多岐にわたる二相流の現象、解析法を基礎から応用へと、秩序よく体系的に、また必要に応じ多角的に編纂してある点が特筆される。内容は、流動様式、圧力損失・ボイド率、基礎方程式、沸騰流、凝縮流、気泡流、スラグ流・フロス流、環状流・液膜流・咬霧流、層状流・波状流、流動の安定性、圧力波・衝撃、臨界流、各種二相流、である。
3. 9 書名:パイプラインシステムハンドブック セミアンドクローズドタイプ パイプライン
  601頁 猿渡良ー 著 1998年刊 山海堂 本体 ¥16000
3. 9 書名:パイプラインシステムハンドブック セミアンドクローズドタイプ パイプライン 601頁 猿渡良ー 著 1998年刊 山海堂 本体 ¥16000
本書は農業用水路設計のためのハンドブックで、1978年出版の「パイプラインハンドブック」の改訂版である。改訂版はオープンタイプ水路(管路途中に大気開放スタンドを持つ)を削除し、代わりに、農水省設計基準のセミクローズドタイプ水路(管路途中に水位制御機能のある大気開放スタンドを持つ)の記述を補充したもの。農業水路とその附属設備につき、計画から細部設計まで、網羅している。農業水路以外でも参考になるところがあろう。主な内容(抜粋):第1編 パイプラインシステム設計の準備、第2編 パイプラインシステムの設計、第3編 水理設計(管径の決定、水理公式、水撃圧予測値と水撃圧防止対策)、第4編 システムの細部設計(埋設管の設計、水道橋の設計、水圧調節施設の設計、分水施設の設計、月施設の設計、・・・・・)。
この本の厚さにして索引がないのは不便。
4. 1 書名:新しい機械工学5 固体の力学 永井文雄 編 森北出版 248頁 1980年 本体価格 2600円
新しい機械工学5 固体の力学 永井文雄 編 森北出版 248頁 1980年 本体価格 2600円
本書は材料力学の本であるが、材料力学の分野の内、引っ張り、圧縮、ねじり、曲げ、内圧と外圧、回転に的を絞り、その解説をそれら機械試験方法から入って行くのがユニークである。特に、部材が曲げ、内圧と外圧を受ける場合の評価に詳しく、配管技術者には参考になるところが多かろう。
内容は、理論に走らず、実務的で、的を絞った各テーマについて、概ね類書より、幅広く、かつ、詳しい。また、説明も懇切ていねいである。多くの演習問題を載せ、巻末の解答もくわしい。
本書は、大学、高専の材料力学の教科書用として編纂されたものであるが、技術者の再入門書として、材料力学のポリッシュアップにも適していよう。
4. 2 書名:原子力工学シリーズ3 原子力プラントの構造設計 安藤良夫 岡林邦夫 共著 208頁 東京大学出版会 1977年
4. 2 書名:原子力工学シリーズ3 原子力プラントの構造設計 安藤良夫 岡林邦夫 共著 208頁 東京大学出版会 1977年
本書は材料力学、構造力学が実際の原子力プラントにどのように反映されているかを解説しており、一般の材料力学書ではあまり触れられてないところである。本書では解説するにあたり、ASME Code を参照しているが、今から30年前の発行なので、ASME もかなり変更されていると思われるが、原子力プラントの構造設計の基本的考え方は変わっていないので、特に、原子力プラントの配管設計に携わる人には、今でも尚、参考になるのではないかと思う。
約120頁を費やす「軽水発電炉」の構造設計の章は、ASME Section III NB を参照して、応力強さ、1次膜応力、1次曲げ応力とその制限値、熱応カラチェット、シェークダウン、ピーク応力、疲労解析、などにつき解説している。新型高温炉(高速増殖炉など)の構造設計の章では、ASME Case 1592 (今日のASME ではNH) を参照して、クリープ領域における設計基準を解説している。
4. 3 書名:鋼構造物の設計入門 土木設計研究会 編 190頁 オーム社 2005年刊 本体価格 ¥2800円
4. 3 書名:鋼構造物の設計入門 土木設計研究会 編 190頁 オーム社 2005年刊 本体価格 ¥2800円
大規模な鋼製構造物の構造、接合、詳細、材料、強度計算について易しく解説した入門書である。
H形鋼を用いた道路橋とプレートガーダー橋を例にとって、鋼構造物の基礎知識、設計条件の設定、主桁に作用する荷爪、主桁の強度計算、主桁以外の部材の強度計箕、を設計順序に従い、実際の寸法、数値を使って、計算し、解説しているので、興味を引きつけ、分かりやすく、実際に問題を解くときに心強い。プラント技術者は、かならず鋼構造物と多少とも関わり合いを持つことになるので、本書は、「鋼構造物はどのように設計されるか」を知る上で、好著である。
4. 4 書名:機械工学基礎コース 材料力学 小久保、後藤、森、立野 共著 273頁 丸善 2002年刊 本体価格 ¥3500
4. 4 書名:機械工学基礎コース 材料力学 小久保、後藤、森、立野 共著 273頁 丸善 2002年刊 本体価格 ¥3500
比較的新しい材料力学の教科書、参考書。
材料力学の「基礎理論の説明」を左頁に、理論の理解を助ける「具体例の多いコラム」を右頁に配したところが本書の特徴だが、この試みは功罪半ばするかもしれない(1頁ずつ、跳ばして読まなければならない)。理綸とコラムの選別区分が曖味に思えるところもある。全体を早く学習したい人は基礎理論の頁だけを、読んでもよいという。
内容は、応力とひずみ、引張りと圧縮、はりのせん断・曲げモーメント・応カ・たわみ、ねじりや座屈など、基礎的事項から、具体的実用的内容まで含む。演習問題と解答つき。
4. 5 書名:疲労設計便覧 日本材料学会編 494頁 1995年刊 養賢堂 本体 ¥9600
疲労設計便覧 日本材料学会編 494頁 1995年刊 養賢堂 本体 ¥9600
機械、構造物の破損事故の原因の約80%が疲労に関係しているといわれる(本書第1章)。本害は、1979年発行の金屈材料疲労設計便覧を全面見直しして、1995年に新たに出版された、金属疲労の知識を網羅してまとめた便覧である。疲労設計、事故解析、疲労寿命評価の際には役立つ本である。どちらかと言えば、中級者向けである。
内容は、疲労設計の基礎、形状・寸法、加工・表面処理、平均応カ・残留応カ・組合せ応力、接触応力下の疲労、低サイクル疲労、疲労き裂、実働荷重下の疲労、環境効果、高温疲労・低温疲労、先進材料・非金属材料の疲労、疲労信頼性設計、機械・構造物の疲労設計。最終章では、各種の機械、構造における疲労設計の規格と実際について、説明している。
4. 6 書名:材料力学 ティモシェンコ 著 上/中巻 瀬戸口、他 訳 東京図書                          
上巻 1957年刊 本体価格 ¥3000、 中巻 1972年刊 本体価格 ¥2500           
     材料力学要論 ティモシェンコ、ヤング 共著 前澤 訳 378頁コロナ社 1972年刊 本体価格 ¥3800
4. 6 書名:材料力学 ティモシェンコ 著 上/中巻 瀬戸口、他 訳 東京図書 上巻 1957年刊 本体価格 ¥3000 中巻 1972年刊 本体価格 ¥2500 材料力学要論 ティモシェンコ、ヤング 共著 前澤 訳 378頁 コロナ社 1972年刊 本体価格 ¥3800
ティモシェンコの材料力学の教科書(原書名:Strength of Malerial 1930年刊)は古典としてのみならず、現在の教科書、参考書としても外すわけにはいかないであろう。この本は、上掲の本が発行される前、1955年にコロナ社より片山、北畠 訳の上/下2巻が出ている(左写真はコロナ社のもの)。その上巻(第1編)は工業学校の教科書用で下巻(第2編)が更に深く研究する人用である。第1編は初級者にも理解できるよう、懇切に分かりやすく書かれている。
材料力学要論の方は、ティモシェンコの材料カ学の要約本ともいうぺきもので(原書名:Elements of Strength of Material) 、「材料力学」が持つ特徴を残しつつ、初学者向けに適切に要約がされている。
5. 1 書名:見方・かき方 建築配管図面 矢野弘、中村勉 著 214頁 オーム社 2004年刊 本体 ¥3000
5. 1 書名:見方・かき方 建築配管図面 矢野弘、中村勉 著 214頁 オーム社 2004年刊 本体 ¥3000
タイトルの建築配管図面の見方・かき方に関する内容の部分は、本書211頁のうち、最初の第1~3章の40頁のみである。その理由は、「はしがき」に明らかにされている。即ち、「本書では、まず優先すべきことは、図面の作成にあたる者が"使える図面"を描くために必要な基本的知識を身につけることだと考え、配管設備の図面作成に必要な基礎的知識を中心に記述してある。」。とはいっても、見方、かき方の部分が少しあっさりしすぎている感は否定できない。
基礎的知識の方は、管材、管継手と接合方法の種類、空調配管·給排水配管の施工要領、防振・耐震、省力、保温・断熱、試験・試運転、等の各章で、幅広い範囲を多数の図を使い、解りやすく説明している。
6. 1 書名:なっとくする 演習・熱力学 小暮陽三 著 273頁 講談社 1997年刊 ¥2700
6. 1 書名:なっとくする 演習・熱力学 小暮陽三 著 273頁 講談社 1997年刊 ¥2700
熱力学はややとっつきにくい学問である。抽象的で、微積分がつきものだからである。
この本によって、そのような熱力学に苦手意識のある人が、熱力学が好きになるかもしれない。本によって、人によって、表現の仕方がいろいろある熱力学の第1法則、第2法則も結局は一つのことを言っているのであり、そしてエントロピーとはなんであるかなど、読み物風に読んでゆく内に分かってくる。説明が丁寧で、ピストンエンジンのモデル図などをふんだんに使って、ビジュアル的に分かり易くしている。タイトルに演習とあるが、例題のみならず、演習問題にも計算過程が示されていて、親切。しかし本書は単なる演習の書ではない。本書の真骨頂は原理やエントロピーなどに関する懇切な解説の文章にあり、小生も40年前にこの本に出会っていれば、もっと楽しく熱力学が勉強できたであろう。
6. 2 書名:工業熱力学(基礎編)SI単位による全訂版(修正51版) 谷下市松 著 434頁 裳葦房 2005年刊 本体 ¥4300
書名:大学演習 工業熱力学(3訂版)第32版 谷下市松 著 裳葦房 1980年刊 本体 ¥4000            
6. 2 書名:工業熱力学(基礎編)SI単位による全訂版(修正51版) 谷下市松 著 434頁 裳葦房 2005年刊 本体 ¥4300 書名:大学演習 工業熱力学(3訂版)第32版 谷下市松 著 裳葦房 1980年刊 本体 ¥4000
いずれも初版が40年以上前の古い本であるが、当初から、大学の教科書、参考書の定番として、長期にわたり、最も多く採用されてきた本と思われる。「工業熱力学(基礎編)」は他の熱力学の教科書や上記演習書よりも、各項目について詳しく説明されているまた、「大学演習 工業熱力学」の方は、機械系の熱力学の要点と派習問超の詳しい解説からなっている。
「工業熱力学(基礎編)」の内容:温度および熱量、熱力学の第一法則、理想気体、熱力学の第二法則、有効エネルギーと最大仕事、熱力学の一般関係式、一般蒸気、蒸気および水銀蒸気、燃焼、気体の流れ、ガスサイクル、蒸気原動所サイクル。
左写真は「大学演習 工業熱力学」を示す。
6. 3 書名:図解 熱力学の学び方(第2版)谷下市松 監修、北山直方 著 244頁 オーム社 1984年刊 本体 ¥2900
書名:図解 演習熱力学 谷下市松 監修、北山直方 著 212頁 オーム社 1979年刊 本体 ¥3200     
6. 3 書名:図解 熱力学の学び方(第2版)谷下市松 監修 北山直方 著 244頁 オーム社 1984年刊 本体 ¥2900 書名:図解 演習熱力学 谷下市松 監修 北山直方 著 212頁 オーム社 1979年刊 本体 ¥3200
掲げた両書は監修者、著者、出版社を同じくし、内容は、いずれも図や絵を多用し、熱力学の基本の部分を、初学者にあまり抵抗なく入ってゆけるよう工夫した本であるが、「図解 演習熱力学」の方が、よりマンガチックで、くだけている。また、「図解 演習熱力学」(在庫なし)は、演習問題とその詳しい解答にほぼ半分の紙数を割いている。両書とも高専、大学工学部低学年の学生用に書かれたものであるが、熱力学によくなじめなかった人が実社会で、熱力学の必婆に迫られ、再入門する本として、よいかもしれない。
内容(両書ほぼ共通):熱力学で扱う物理量、熱力学 第1法則・第2法則とその応用、理想気体の性質と状態変化、ガスサイクルのメカニズム、蒸気の性質と状態変化、蒸気サイクルのメカニズム、他。
6. 4 書名:図解 伝熱工学の学び方 西川兼泰 監修、北山直方 著 218頁 オーム社 1982年刊 本体¥ 3200
6. 4 書名:図解 伝熱工学の学び方 西川兼泰 監修、北山直方 著 218頁 オーム社 1982年刊 本体¥ 3200
伝熱工学(比較的新しい学問である)もまた、数式の使用が多く、分かり難く、学ぶに飽きやすい学問である。本書は書名に"図解"とあるとおり、図(イラスト)をふんだんに入れて、伝熱工学に興味を持って勉強してもらおうという意図で書かれているので、本に親近感が持て、著者の意図が成功している入門書である。内容は、伝熱工学入門、熱伝導、熱伝達に関する基本知識、熱通過と熱交換、沸騰と凝縮の熱伝達、流体の流れと熱伝達、熱放射、の各章からなり、構成はオーソドックスである。適切な例題があり、理解の助けとなっている。
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